JX通信社は11日、運営するニュース速報アプリ「NewsDigest」上で提供する、「精密体感震度」機能の利用回数がリリース約半年で200万回を突破したと発表した。
「精密体感震度」機能は、震度計では捉えきれない細かな地域ごとの揺れの「体感」を収集・表示するもの。地震学者の慶應義塾大学・大木聖子准教授監修のもと産学連携のプロジェクトで開発し、昨年8月から提供を開始した。
気象庁などが設置する震度計設置箇所(震度観測点)は全国で4300点ほどに限られている。単純平均で、1基礎自治体ごとに2〜3カ所の計算。結果、震度計の設置場所が所在地から離れている・地盤が違う等の理由で、発表される震度と体感の震度にはズレが生じる場合がある。
「精密体感震度」機能は、こうした震度計の空白を補い、見えにくい地震被害を推測するのに役立つだけでなく、周囲の人の体感震度をリアルタイムに把握できることで、ユーザーの安全・安心に寄与することを企図している。
昨年8月の提供開始以降、多くのユーザーに利用され、その利用回数は累計200万回を突破した。今後も体感震度の報告を通じて、日常的な地震対策や被害の防止に自然とユーザーの意識が向き、防災意識の向上に貢献することを期待しているという。
また、同社はユーザーからの投稿を通じて、精密な位置情報と結びつけた体感震度や、物が落ちた、構造物が崩れた等の情報を組み合わせた「地震ビッグデータ」を保有している。これらは、NewsDigestのみならず、兄弟サービスのAI×ビッグデータ リスクセンサー「FASTALERT」を通じて、政府・自治体や企業様向けにも提供している。こうしたビッグデータは、今後の地震被害リスクの把握や対策に活用できる。
同社では今後も、保有するAI×ビッグデータを基盤に、来る南海トラフ地震や首都直下地震などの大地震に備えた、防災・減災の取り組みを継続・発展させていくとしている。