クラウドデータ、システムデータ、リーガルデータ、AIデータなどのデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータは19日、人工知能時代の到来に備えてAIデバイスの証拠調査を行う「AIフォレンジック」サービスの提供を開始すると発表した。
AIシステムは、ブラックボックスと見なされることが多いため、フォレンジック調査を行う際には、注意が必要となる。AIシステムは、学習機能を備えている可能性があり、システムが変更されたり、削除されるケースもある。つまり、悪意を持った人間が意図的にシステムを書き換えたり、一部分を変更しているケースもあるという。
AOSデータは、デジタルデータの証拠調査で警察機関、民間企業、弁護士などの依頼で数多くのデジタルデータの証拠調査を行ってきた実績がある。AIフォレンジック調査は、AIシステムの中に格納されているデジタルデータを解析し、分析、調査を行う。例えば、システムの書き換えの有無、消されてしまったデータの復元、外部からのハッキングなどの痕跡調査を行い、事件・事故が起こった前後がどのような状況であったかを解析し、証拠として抽出するサービス。
自動運転車、ドローン、AIスピーカー、AIチャットボット、スマートウオッチ、スマートバンド、IoT、UAM※などのAIデバイスも私たちの身近で急速に普及している。一方で、AIデバイスが引き起こす事故や事件などの発生が懸念されおり、何か問題が起こった場合にどのように調査をすればいいのかという問題がある。
現在は、何か事件が起こった場合にスマートフォンやドライブレコーダーなどに記録されているデジタルデータが証拠として調べられるケースが多く、最近は、これらのスマートデバイスのAI機能が強化され、ハッキングの対象にもなり、犯罪を行う手伝いをしてしまうことも懸念されている。
AOSデータは、2002年からフォレンジックサービスの提供を開始、PC、携帯電話、スマホ、ドライブレコーダーなどのフォレンジック調査を捜査機関や企業、弁護士の依頼を受けて実施し、国内のフォレンジック調査を牽引してきた。今後は、AIフォレンジックに注力し、AIデバイスに格納されているデジタルデータの復元・抽出・解析作業を行うという。