インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネット、AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行うRidge-i (リッジアイ)、および駐車場予約アプリ「akippa」を運営するakippa (あきっぱ)は4日、共同で、衛星データとAI画像認証を活用し、駐車場用のスペースを自動検出するための初期プログラムを研究開発したと発表した。
本プログラムを利用したサービスが実用化されれば、akippaがこれまで現地で探していた自動車の駐車場用スペースを衛星データから確認できるようになり、駐車場開拓における営業活動の効率化が期待できる。なお、これらは衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」の実用化を目的とした取り組み。
akippaは、全国の空いている月極や個人の駐車場、空き地などの遊休地を駐車場として一時利用できるシェアリングサービスで、2020年7月現在、全国に累計3万7000拠点の駐車場が登録されている。しかしながら、ドライバーのニーズに対して十分な駐車場数が確保できておらず、新しいスペースを見つける際にも現地に行って開拓をしているため時間がかかるといった課題がある。この課題を解決するため、効率的に新たに駐車場として活用できる遊休地を見つける新しい手法として、衛星データと機械学習・ディープラーニングの技術を活用し、特定エリアの「自動車駐車場用スペースの候補を自動検出するプログラム」を開発している。
2020年の開発初期モデルでは、Tellusの開発・利用を促進するさくらインターネットが本プロジェクトの企画および衛星データの提供、Ridge-iが機械学習・ディープラーニングの技術を使い、衛星データだけで駐車場用スペースの候補地を検出できるプログラムを開発した。2019年10月〜2020年2月に福岡・札幌にて実証実験を行ったところ、約75%の精度を実現していた。
今後、さくらインターネットはTellusへの搭載と実用化に向けて、衛星データの提供およびプラットフォームの改善など様々な支援を行う。そしてTellusへの搭載が実現した際には、akippaはこのプログラムをビジネス上で駐車場用スペースの候補地検出のために本格的な活用を検討している。
今回の福岡、札幌の2都市から活用を開始し、今後は、全国への展開を検討していく。また、Ridge-iは機械学習・ディープラーニングプログラムの更なる精度向上に加え、地上データや時系列の衛星データを利用した駐車場用スペースの候補地の把握などの検討をしていくという。