EAGLYS(イーグリス)とクラウド録画サービスのセーフィーは、製造現場の生産ラインの不具合検知に向け、EAGLYSのAI画像解析技術とクラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を掛け合わせたAI画像解析サービスの共同開発に着手、実証実験で24m先の異物に対して91%の検知精度を実現したことを発表した。
近年、製造業では就労者不足・後継者不足の課題に直面しており、国内の就業者数は2002年の1202万人から2019年の1063万人と直近20年間で約200万人(▲11.6%程度*)も減少している。一方で、製品の加工や組み立て等の通常の生産作業以外に、設備の不具合や異物混入の有無を目視で確認する等、製品の品質管理へも多くの工数が生じており、製造業全体で請け負う作業量は日に日に増えているという。
生産性と品質管理の維持・向上に向け、産業用ロボットやFA(ファクトリーオートメイション)の活用が進んでいるが、工場設備のレイアウトによってはロボットの組込みが困難であることや人力で製造過程の異物や残留物の確認や判断をせざるを得ない等、省人化・自動化に踏み切れない領域も数多く残っている。
*経済産業省「製造基盤白書(ものづくり白書)2020年版」
クラウド録画サービスで現場DX・オペレーション改善に寄与してきたセーフィーと連携し、撮影した映像データにEAGLYSのAI解析技術を組み合わせることで、製造現場の生産ライン上の不具合や異物検知を超高速・高精度で行えるAI画像解析サービスの開発に着手した。
高精度AI画像解析カメラで製造工場や物流センター内の生産ライン上の不具合や異物混入の検知を容易にできるようになるだけでなく、映像を通じた確認作業の記録や遠隔からの管理・実行、振り返りに活用することが可能になる。
今回、実証実験用に開発した工場向けAI画像解析サービスを実際の製造工場で試したところ、現状の生産設備や従業員の作業導線を変えることなく、目視でも検知困難な24m先のラインにある異物を91%の確率で検知することに成功した。
本格実装に向けて、工程や製品に合わせた画角やAIアルゴリズムをチューニングすることで、今回の数値よりさらに高い精度の検知率が期待できる結果となった。
今後は、今回の実証実験で得られた結果を踏まえることはもちろん、製造工場が抱えるその他の課題やニーズへ対応し、製造現場の生産性向上に貢献しながら製造業界全体の労働力減少や技能継承の課題を解決していけるよう貢献していくという。