エフィシエント(EFFICIENT)と、就職支援事業を展開するジェイックが共同開発する面接練習アプリ『steach』は13日、大幅に機能をアップデートし、自然言語処理を活用し会話の内容をAIが解析することで「伝わりやすさ」を定量評価できるようになったことを発表した。
『steach』は、ユーザーがスマホで面接の質問に回答した音声と動画をAIエンジンが解析し、表情、声、身振りに加えて、文脈を解析することで定量的なアドバイスをAIが行う。面接で頻出する質問のパターンを用意しており、新卒、転職、アルバイトなどの多様な面接シーンで活用できる。
『steach』は、これまで3万6000名以上の就職支援を行ってきたジェイックの求職者からのニーズをもとに、「ひとりで気軽に面接練習ができて、客観的な評価がもらえる」環境を実現するために開発、リリースされた。2022年5月23日のリリースから、面接練習実施回数:2万7271回利用されている。ジェイックがこれまで培ってきた面接対策ノウハウを元に、AIを活用することでユーザーが回答した音声と動画を定量的に評価する。
これまで『steach』は表情、声、身振りによる定量的な解析を行っており、ユーザーが話した内容については撮影、録音から話した内容についてはテキスト化ができるのみだった。実際の面接においては、話した内容が面接官にとって伝わりやすいかという点も重要と考えており、これまで機能搭載のため開発を重ねてきた。
自然言語処理のAIモデルを用いた実証実験を繰り返し、高精度で文章の伝わりやすさを評価することが可能になったため、この度「伝わりやすさ」の評価指標を追加する大幅アップデートを行った。この機能は文章が「結論ファーストで語られているか」「数値や具体例など具体的な根拠が含まれているか」「接続詞の使い方が適切か」を主な判断基準として解析・評価する。
本機能をユーザーが利用することで回答内容のブラッシュアップを行い、面接練習に役立ててもらいたいという。
本機能は文章の文脈に着目するBERTモデルによる自然言語処理を利用して実現した。これまで対面で数多くの面接練習を行っているジェイック協力のもと、2000以上の例文にラベル付けを行い、それをAIに学習させることで精度の向上に努めてきた。
回答内容の解析手法は、最初に結論が話されているか、その次に具体例や数字を使った具体的説明がなされているかを軸に判定している。さらに接続詞の適切さの判定をし、これらの判定結果から総合的に伝わりやすさの評価をおこなう。検証実験ではAIによる伝わりやすさの評価と人による評価が近似し、実際の面接練習においても有用性が認められるため、本機能をリリースするアップデートを行った。
今後はさらに学習データのバリエーション・量を増やすことでモデル学習を繰り返し、性能の向上を行っていくという。