エクサウィザーズは25日、生成AIに関するセミナーの参加者を対象に利用実態のアンケートを実施、その結果を発表した。
同社が日本経済団体連合会の後援を受けて2023年4月25日に実施したセミナーにおいて274社514名から回答を得て、生成AIを業務で日常的に活用する参加者は全体の7.2%と1割に近づいていることがわかった。また業種別では、金融・保険において積極的に活用が進む一方、製造では様子見が多いなど、取り組みの差が大きいことが浮き彫りとなった。
今回調査を実施するにあたり、エクサウィザーズは「ChatGPT」など生成AIの利用状況を、レベル1(関心なし)、レベル2(関心はある)、レベル3(試しに利用)、レベル4(時々使用)、レベル5(日常的に使用)の5段階に分類した。レベル5は参加者の業務に取り入れて実際に活用しているかどうかを聞いた。
レベル5の「業務に取り入れて日常的に使用している」とレベル4の「時々使用している」を合わせると約3分の1が利用している。先行する会社は既に生成AIを業務に活用し始めていることがわかった。
一方で、レベル1とレベル2を合わせた「試していない」層も2割強いる。生成AIの活用を推進するためには、興味を持ってもらったり、試用できる環境を提供したりすることなどで、より上のレベルに引き上げていく方策が必要と考えられる。
利用状況は業種によって大きく異なることも明らかになった。レベル5の「日常的に使用」は、専門サービス(22.2%)、サービス(13.6%)、IT /Webサービス(12.5%)において1割を超えた。卸・小売も7.7%と平均を上回った。一方で製造(2.8%)や建設(0%)、電気・ガス・運輸等(0%)において日常的な本格利用が後れている実態も明らかとなった。
レベル3、4、5の「何らかの形で使用したことがある」層を集計すると、金融・保険が9割以上となり突出しているが、一方で製造は約3割の層が使っていないことも浮き彫りとなった。
<アンケート概要>
今回のアンケートは「生成系AIがもたらす3つの経営インパクト」のセミナーに参加した514人、274社を対象に実施した。業種別では製造が最も多く導入に向けた関心が高く、専門サービスが続きます。部門別ではDX部門が最も多く、それに次ぐITや経営企画部門以外にも、管理や営業部門など幅広い業務において検討がされていることがうかがえる。部課長クラスが50%、経営層が25%強と、生成AIに対するマネジメント層の関心の高さも映し出した。